2007年10月25日

Flying Squirrel 回顧録 〜 9年目『再見』(2005.7-2006.6)

■誤算スパイラル
 順調に進んでいる、と、そのときまでは思っていたんです。これなら余裕で間に合うなと、高をくくっていました。それが、後々になって響いてきます。
 配布予定のSOオンリーイベントまで2週間を切っても、まだ印刷にはかかれず、原稿の最終チェックをのんびりと進めていました。印刷業者への入稿をイベント1週間前と仮定しても、4,5日あれば印刷は終わるから大丈夫。わたしに焦りはありませんでした。その見込み自体が大甘だとも知らずに。
 状況が一変したのは、チェックが終わってテストプリントを始めたときでした。印刷に思ったよりも時間がかかることが判明。しかも、裏面印刷の際は結構な頻度で紙詰まりを起こす(レーザープリンタは印刷すると紙が反り返るんですな。その状態のまま裏返して印刷するものだから……)ので、常時監視していなくてはいけない。これは想像以上に大変な作業だと、この期に及んで気づいたのでした。
 家庭内の事情(?)などもあって、本格的に印刷作業に取りかかったときには、イベントまで残り10日というところまで迫っていました。果たして間に合うのか。わたしとB5用紙との死闘が始まります。

■未確認紙闘シンドローム 〜ある夜の出来事〜
 さて印刷すっぞ。夜中の作業はなんか寂しいから、テレビでもつけるか。ろくな番組やってないな。まァいいか、どうせろくに見ないだろうし。とりあえず10部ずつぐらいまとめて印刷するかな。
〈1時間後〉
 うむ、順調順調。この調子なら割と早めに終われそうだ。ぼちぼち裏面印刷すっか。
〈10分後〉
 きゃーっ、紙詰まり起こした。くそぅ、貴重な紙とトナーを無駄に……。あ、あれ? なんか表と裏のページ数がズレてる。うあー、白紙が紛れ込んでたのか。表面印刷のときにチェックしておかないと駄目だな。また表から印刷し直しか……。
〈2時間後〉
 はあ疲れた……。相変わらず放っておくと紙詰まり起こすし、印刷ミスのチェックもしんどい。ちょっと休憩……って、ちょっと、テレビ怖いよ。栗山千明が真顔のアップで「命は大切だ」って、背筋に寒気走ったぞ。こんな時間にACのコマーシャル流すなヽ(`Д´)ノ
〈30分後〉
 さて、そろそろページの振り分けを始めようかな。2ページ……4ページ……6ページ……。……もしかして、この作業、物凄く時間かかるんじゃないか。やばい、こんなことやってたら間に合わない。1部ずつページ順に印刷していったほうが良さそうだ。けど、既に印刷しちゃった分は振り分けないと……。……はあ、ホント何やってんだろなァ……。腰痛くなってきた。休憩。あれ、なんかアニメやってる。あー、ハガレンか。初めて見た。エドって結構ムキムキなんだね。そうじゃなければストライクゾーンだったのに。どうでもいいや、続きやるか……。
〈2時間後〉
 やっと振り分けが終わった……。絶望的にしんどかった。これからは1部ずつ印刷しよう。……げっ、印刷がかすれてる。もうトナーが切れたんかい。残りは1個しかないぞ。まずい、これはまずい。まだレナ編は1ページも印刷してないってのに。なんでこんなに早く……って、あーそうか、プリンタ買ったときに色々しょーもないものを印刷してたっけ。わたしのお馬鹿さん。余分にトナー買っておくべきだった。ああ空が白んでいく。もう限界だ。僕は疲れたよゴンザレス。あとは知らん。寝る。

■いざ出陣
 ──とまァ、そんな紆余曲折がありながらも、ギリギリ入稿には間に合わせることができました。ただ、当初はクロード・レナ両編とも20部ずつという予定でしたけど、時間的にもトナー的にも無理ということで、どちらも10部弱という結果になってしまいました。仕方ないので、昔作ってたトライア系のMIDIを録音したCDも一緒に配布することに。さすがに計20部にも満たない本だけでは物寂しいですからね。
 そうして、いよいよイベント当日ということになるのですが、そのへんのことは当時のブログに書いてあるので、ここでは割愛します。まァ何にせよ、貴重な経験になったことは間違いないです。
 イベント後には、購入できなかったかたのために再発行もしました。印刷も随分と慣れて、作業効率は前回と比べても格段に向上しました。面倒なのは変わりないですけどね……。

■下巻に向けて
 小説SO2の同人化は、概ね好意的に皆様に受け入れてもらえたようでした。少なくともわたしが想像していた以上には。作っている当初から不安はつきまとっていました。7年前に発売したゲームの5年前に完結した小説が、果たして売れるのだろうか、と。それが、あのイベントで一気に払拭されたわけです。SO2というゲームの持つ魅力というものを、改めて思い知った瞬間でもありましたな。
 さて、こうなってくると、もう下巻を出さないわけにはいかなくなります。皆さんからのリクエストも勿論あったのですが、それ以上にわたしとしても、このままだと中途半端で収まりがつかない。掲示板やブログでは「未定です」なんて焦らしていましたが、既に腹は決まっていたんですな(笑)
 まずはサイトの整備から。『Phase Bookmaking』を『コトノハの海』と改称し、同人サイトとしてリスタートさせます。小説SO2の掲載もこっち一本に絞りました。ついでに『あんだんて』をブログに完全移行……って、これは小説と関係ないか。まァ、作業に集中できるようにサイトのスリム化を行った、ということで。
 年明けの2月から、本格的に動き出します。まずは制作スタッフ(と言っても2人ですが)への連絡。ShiraさんからはすんなりOKが貰えました。しかし、蒼莱さんは事情により今回は参加できないとのこと。のっけからつまずいてしまいました……。とにもかくにも、新たな絵師さんを探さねばなりません。募集もかけてはみたんですが集まりそうもないので、やっぱりこちらからアプローチをかけてみることに。その結果、若野未森さんが引き受けてくださることになりました。上巻のときは苦労したけど、今回はすんなり決まって一安心。上巻を発行しているという実績があったのも、大きかったかもしれませんな。
 ところが、今度は印刷のほうで問題が。上巻で表紙印刷と製本をお願いしていた業者さんが、昨年12月に閉店していたのでした(;´Д`) ということで、印刷所もまた探し直し。メールでのやりとりもあって苦労しましたが、どうにかOKを貰えるところまでこぎつけました。
 今回の目標は11月のオンリーイベント。夏コミということも考えたんですが、競争率高いし既に手遅れだったので見送りました。作業は特に大きな障害もなく、順調に進行しました。途中、VP2の発売とかで脱線したりもしたけど……。前回の反省を踏まえ、上巻のときよりも早め早め、ということは心がけたつもりです。

 改めて振り返ると、この年はホントに印刷ばっかりやってましたな……。片手間でできるならいいのだけど、結構しんどい作業ですからね。なにせ量が量だから。まァ、その苦労は、本を発行できたということで報われたと思います。『小説SO2』に再びスポットライトを当てることができたという点では、充実した一年であったと言えるかもしれません。色々大変だったけど、ホントに( ̄× ̄;


■Flying Squirrel 回顧録[目次]
  1. はじめに
  2. 1年目『未踏』(1997.7-1998.6)
  3. 2年目『加速』(1998.7-1999.6)
  4. 3年目『衝突』(1999.7-2000.6)
  5. 4年目『結実』(2000.7-2001.6)
  6. 5年目『錯誤』(2001.7-2002.6)
  7. 6年目『悲願』(2002.7-2003.6)
  8. 7年目『隘路』(2003.7-2004.6)
  9. 8年目『原点』(2004.7-2005.6)
  10. 9年目『再見』(2005.7-2006.6)
  11. 10年目『途上』(2006.7-2007-6)
  12. おわりに
posted by むささび at 19:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 昔話
この記事へのコメント
あぁもう初陣から2年経つんですね〜。
あっという間だったなぁ。

セルフ印刷は・・・お疲れ様でした。

ところでPSPでSO1、SO2リメイクされますが、
むささんならきっと何かやってくれると密かに期待してるんですが(ぉ
Posted by しーる at 2007年10月26日 22:09
早いものですな。
あのイエメン館から2年ですよ(違う)

>何かやってくれると

これ以上何をやれと(;´Д`)
Posted by むささび at 2007年10月27日 10:31
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